作家の竹田恒泰が、2025年参議院選挙の結果を徹底分析する。自民党保守派の「壊滅」という衝撃的な結果から、各主要政党の動向、そして個票数に現れた「テレビの力」まで、多角的な視点から日本政治の新たな潮流を読み解く。
自民党保守派の壊滅と「石破自民なんか消えろ」の結末
2025年参議院選挙は、日本政治の勢力図に大きな変化をもたらした。作家の竹田恒泰は、今回の選挙における自民党の「惨憺たる結果」を厳しく指摘し、特に保守派の議員が「ほとんど全員といっていいかもしれません」「無事には済まない」という壊滅的な打撃を受けたと語る。
竹田氏によると、今回の選挙で有村治子氏以外の佐藤正久氏、山東明子氏、赤池氏、中田浩氏、杉田水脈氏、和田政宗氏といった主要な保守派議員が議席を失った。この結果は、「石破自民なんか消えろの結果」だと竹田氏は分析する。有権者が現在の自民党、特に「石破に近い連中」だけでなく、自民党全体への不満から保守派にまで影響が及んだというのだ。これにより、「自民はどんどん左傾化していく」状況が懸念されると竹田氏は指摘した。
主要政党の明暗を分けた参院選
各主要政党も、今回の選挙で明暗を分けた。
立憲民主党は7議席を獲得し、蓮舫氏が33万9000票を獲得して党内トップとなった。しかし、竹田氏はかつて東京選挙区で100万票以上を獲得していた人気ぶりと比較して、「かつてのね、もうなんかあのフィーバーを巻き起こしたような、蓮舫さんの姿はもうどこにもない」と評する。
国民民主党も7議席を獲得。元維新の足立氏、海洋安全保障に詳しい山田義彦氏らが当選した。
日本維新の会は4議席を獲得し、石平氏が当選した。関平氏は「帰化した人間は自分の出自を明らかにすべきだということをその後も述べてらっしゃる」と、自身の出自を明確にする姿勢を評価した。
今回の選挙で最も注目すべき躍進を見せたのは日本保守党だろう。北村氏が97万票という「ぶっちぎりトップ」の個人票を獲得し党勢を牽引した。竹田氏は「北村さんこんな人気あったんですね。本人もびっくりしてるかも」と、その得票数の大きさに驚きを示す。百田氏の12万票と比較しても圧倒的な得票数であり、テレビによく出てる人はそういう面で強いのかもしれませんね」と、メディア露出の影響力が際立った結果と評価した。
一方、公明党は比例での得票を大幅に減らした。「池田大作さんが亡くなってやっぱ党としてのね、推進力がもう完全に失われてしまってる」と、創価学会の指導者の逝去が党勢に影響を与えている可能性を竹田氏は示唆する。
共産党は「壊滅」的な結果となり、議席が半数以下に減少した。この状況について、共産党系の新聞が「国民の審判が下った」と自民党の敗北を報じる一方で、竹田氏は「国民の審判は共産党にも下ってるんです。その結果共産党壊滅してんですね。半数以下ですからこれ分かってないんです」と、共産党自身が国民の審判を受けていることを認識していないと厳しく批判した。
個票数に現れた「テレビの力」
今回の選挙では、個票数にも興味深い特徴が見られた。蓮舫氏の得票は33万9000票で、自民党でこれ以上の票を獲得したのは2名のみであり、決して少なくはないものの、竹田氏の目には過去の圧倒的な人気からは後退したと映る。
そして、日本保守党の北村氏が97万票を獲得し、今回の選挙における個人得票のトップとなったことは、改めてメディア露出の影響力を浮き彫りにしたと言えるだろう。「テレビによく出てる人は強い」という竹田氏の言葉は、現代の選挙戦におけるテレビの影響力の大きさを物語っている。
今回の参議院選挙は、自民党保守派の壊滅という衝撃的な結果と共に、各政党の明暗をくっきりと分けた。特に日本保守党の躍進と、そこに現れたメディア露出の影響力は、今後の選挙戦のあり方を大きく左右する可能性を秘めている。はたして、この選挙結果が、日本政治にどのような新たな潮流を生み出すことになるだろうか――。




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