乱戦となった鹿児島県知事選挙。勝ったのは、新人で、元経産官僚の塩田康一氏だった。塩田氏は無所属で出馬しながらも、22万2676票を獲得し、初当選を果たした。再選を目指した三反園訓氏は、2万5千票余りの差で2位に敗れた。雪辱を果たすべく挑んだ、元知事の伊藤祐一郎氏は、三反園氏に後塵を喫し、3位に沈んだ。
塩田氏は、経産官僚時代に自身が行ってきた地域経済振興政策などの実績をアピール。中業企業を中心に支持を集めた。保守の票が割れたことや、現職の三反園氏が人気を落としていることも追い風となった。塩田氏は会見で「新しい県政を皆さんが望んでいるのだということを感じた。新型コロナウイルス対策、大雨の災害など課題が山積している。県民の皆さんの思いにしっかり応えていく」と決意を語った。
三反園氏の敗因は、新型コロナへの対応に失敗したからではないだろうか。5月22日、三反園知事は新型コロナの感染拡大対策として独自の「鹿児島モデル」を発表。「数値目標をクリアすれば景気支援策を次々と打ち出していきたい」と自信を見せたものの、僅か一ヶ月で撤回。県民に不安を抱かせた。
緊急事態宣言発出後の首長選挙は、現職が圧倒的有利な状況が続いている。新型コロナの対応によりメディアに露出する機会が増えているからだ。東京都知事選挙で勝利した小池百合子氏は、選挙期間中、新型コロナへの対応で連日メディアに出まくり頑張りをアピール。これが歴史的大勝へとつながった。有権者が「今の人に任せよう」という心理状態になっていることも現職に有利だ。
他候補に対して圧倒的有利に立ち回れたにも拘わらず、それが出来なかったのは、三反園氏のミスと言えるのではないだろうか。
自民党の下村博文選対委員長は、三反園訓氏が敗北したことを受け、「選挙で示された審判を厳粛に受け止め、引き続き鹿児島県の課題解決に向けて取り組んでまいりたい」と語った。
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