中国人観光客の激増とチャイナリスク

そうだね。2018年は3,119万人に対し、2019年は3,188万人に増えたよ。今年はオリンピックイヤーということもあって更に伸びることになると思う。このまま行けば「訪日外国人旅行者を4000万人」にするという政府の目標は達成できそうだよ。

東南アジアや欧米が順調に伸びているよ。中でもここ数年の中国の伸びは凄い。日中関係が改善しているということに加えて、お金持ちが増えたということが理由として考えられるんだ。でも中国に頼るのはリスクもあるんだよ。

まず、今回のように伝染病が発生しても観光客を止められない。今中国では「武漢肺炎」と言われる新型コロナウイルスによる肺炎が流行っている。国内への侵入を防ぐには旅行客の受け入れを停止するのが一番いいんだけど、それをやると観光業への打撃が大きいから簡単にはできないんだ。それに政治利用されるというリスクもある。

例えば台湾問題。中国はこれまで観光客を使って様々な国に台湾との国交を断絶させてきたんだ。

まず台湾と国交を結んでいる国に対して中国人観光客を大量に送りこむ。そして中国人専用の施設を作らせる。それができた後に観光客を一気に止める。経済の首根っこを押さえたうえで台湾との断絶を迫るんだ。

2019年に日本を訪れた観光客は3119万人で、中国人観光客はそのうち959万人。三分の一は中国人で、日本の観光業は既に中国人観光客に依存する体質になっているんだ。

日本の観光業がGDPに占める割合は数パーセント程度なので、観光客を使って政府に圧力を掛けるというのは難しい。でも、政府は更に観光客を増やしたいみたいだし、将来はどうなるかわからない。このまま中国人観光客に依存していていいのか？というのは真剣に考える必要があると思うんだ。

東南アジアや欧米諸国の観光客を増やす取り組みを行って、中国人観光客の割合を減らすことが重要だと思うんだ。