新型コロナウイルスの拡散は行き過ぎた「グローバリズム」への警鐘か?

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新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。11日午前2時現在での世界の感染者数は11万7339人に達し、4000人以上が死亡しています。一地方で生した感染症が、なぜ短期間に世界中に広まったのか? そこには行き過ぎたグローバリズムが関係しています。

新型コロナウイルスの感染拡大が止まる様子がありません。なぜ短期間に広範囲に広がったのでしょうか?

行き過ぎたグローバリズムが関係しているんじゃないかな。

グローバリズムってなんですか?

グローバリズムっていうのは、世界を国家や地域の単位からではなく、連関した一つのシステムとして捉える考え方なんだ。地球主義とも言うよね。簡単に言えば「人、モノ、金の移動の自由を認めましょう」ということなんだよ。グローバリズムを推し進め、人が自由に行き来できるようになった結果、新型コロナウイルスはあっという間に世界に拡散したんだ。

人の移動が制限されていれば、地域特有の病気で終わっていたかもしれませんからね。

グローバリズムには生産性が向上したり、世界中の人材、や技術などを利用できるというメリットがある反面、新型コロナウイルスのような脅威が、全世界にあっという間に広がってしまうというデメリットもあるんだよ。リーマンショックの時もそうだったよね。

国同士の結びつきが強くなった分、脅威も連鎖するというわけですね。グローバリズムには、他にどんなデメリットがあるんですか?

よく言われるのは「産業の空洞化」と「雇用の喪失」だ。グローバリズムの世界では、企業は国際競争にさらされるので、安価な労働力を求めて海外で生産するようになる。国内の生産拠点は不要になるので、国内産業が衰退して「産業の空洞化」が起こるんだ。

トヨタやユニクロは、海外で生産を行っているものね。

で、生産拠点が海外に移ってしまうと、日本人の働く機会もなくなり失業者が増える。

日本でも一時期問題になりましたよね。

更に、人の移動が進むと「文化的な衝突」も起こる。グローバルな文化交流は、新たな文化を生む一方、自国の文化が侵食されることもある。それで苦しんでいるのはEUだね。

EUには「シェンゲン協定」というのがあって、人が自由に移動できるんですよね?

そうなんだ。その協定のおかげで、裕福な国に人材が集中し、EU内で格差が生まれた。裕福な国はより裕福に、貧しい国はより貧しい国になっていったんだ。人の移動は自国民の職を奪うと共に、賃金の低下も招いた。安い労働力を目当てに、中東やアフリカからの難民を大量に受け入れたことで、文化的な衝突や、テロも頻発するようになった。人の移動の自由を認めた結果、EUは住みにくい社会になってしまった。グローバリズムの行き着く先は「カオス」なんだよ。

たしかに。昨年フランスに旅行に行ったんですけど、パリはアフリカや中東の人で溢れかえっていて、ヨーロッパにいる感じがしませんでした。グローバリズムは庶民にとってどんなメリットがあるんですか?

うーん・・ほとんど何もない。グローバリズムで恩恵を受けられるのは大企業や、それに紐づいている官僚や政治家なんだ。だから「多文化共生」という幻想を一生懸命刷り込んでいるのさ。

大企業や政治家に踊らされているわけですね・・

EUの人々は、ここにきてようやく「多文化共生」の欺瞞に気づきだした。だからこそ、イギリス国民はブレグジットを選択したし、EU各国で反グローバル政党が台頭しているんだよ。

行き過ぎたグローバリズムは考え物ね。

だからと言って、グローバリズムを全否定するのも間違っていると思うんだ。安い労働力を使わないと生き残っていけない企業があるのは事実だし、相互依存を深めることは、戦争を防ぐという側面もあるからね。そもそも、グローバリズムを否定して鎖国を続けていたら、今の日本は存在していないはずなんだ。

ようは「バランス」ってことですか。

そう。自国の文化を大切にしつつ、上手に世界と付き合っていくことが大事だと思うんだ。

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