韓国総選挙　新型コロナウイルスを利用して一点突破したい与党

大きな枠組みで見ると、韓国が米国を中心とした自由主義陣営にとどまるのか、中国を中心とした社会主義陣営に入るのかという点にあると思うんだ。

文在寅（ムン・ジェイン）大統領は北朝鮮の核と、南朝鮮の経済力を併せ持った、強大な統一朝鮮を建国したいと考えているみたいなんだ。

朝鮮半島は中国の属国として長い間過ごし、その後日本に統治され、今はアメリカの保護国のようになっている。文在寅は、そうした屈辱的な立場から脱却したいと思っているようなんだ。

そうだね。で、仮に統一朝鮮が生まれたら米中覇権争いの最前線は（３８度線から）対馬海峡まで下りてくる。安全保障に大きな影響をを与えるので、今回の選挙は日本にとっても重要なんだ。

そもそも、今回の選挙では与党は大敗するとみられていたんだ。度重なる失政により、外交も経済の行き詰っているからね。ところが新型コロナウイルスの問題が浮上したことで雲行きが変わった。ギャラップが3月24～26日に行った調査では、「文大統領はよくやっている」との回答が、前週から6％増え55％に達している。

当初は、感染拡大が止まらず批判に晒されていたけれど、感染者の拡大が和らいできたこともあり、ここにきて「よくやっている」という評価に変わってきた。与党はこれを利用して選挙に勝ち抜きたいを考えているんだ。

各党が独自に行った調査でも、与党は「優勢選挙区」として70選挙区を数えたのに対し、野党は38選挙区にとどまっている。ただし、韓国の世論調査は信頼性に欠けるので、どうなるかは正直分からない。

レームダック化が進むだろうね。新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、経済状況は更に悪化。経済破綻するかもしれない。丁世均（チョン・セギュン）首相が「日本との通貨スワップの締結は望ましい」なんて言っているのはその為なんだ。そうなったら次の大統領選挙では保守派が政権を奪い返すことは確実さ。