「主文、原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。敗訴でした―」。裁判所の前で力なく語ったのは、NHKから国民を守る党代表の立花孝志氏だ。
立花氏は「25歳未満の女性が、市議会議員選挙に立候補できないのは憲法違反だ」として裁判を起こしている。立花氏が違憲と指摘している点は主に三つ。
一つは憲法14条。条文には「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と書かれている。立花氏は、21歳の女性が選挙に出れないのは「差別」にあたるとして違憲を主張してる。
もう一つは憲法15条。「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。選挙権になんら制限を加えてはなりません」。これに対しては「市議会議員という職業を選べないのは、職業選択の自由を奪っている」と主張。
三つめは憲法21条の「表現の自由」だ。「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」。これには、21歳の女性が立候補できないのは「選挙運動」という表現の自由を侵害していると主張している。
9日、東京地裁は控訴を棄却した。
立花氏は、過去に高知県大川村の例を挙げ「議員になりたい人がいない場合、18歳以上の人間であれば議員になれる。地方自治法と矛盾するんですよね」と語っている。
地方自治法には、議員の成り手がいない場合、議会に代わる議決機関として「町村総会」を設置できるという規定がある。選挙権を有する18歳以上の人間であればこれに参加することができ、そこと矛盾しているというわけだ。
立花氏は「上訴する」と語っており、裁判は上級裁に持ちこまれることになった。
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