[都知事選] 新型コロナで形勢逆転!有力候補不在で小池百合子氏の東京都知事再選は確実?

質問に答える小池百合子氏 ニュース・コラム

18日、自民党の下村博文選対委員長は、任期満了に伴う東京都知事選への独自候補擁立を「断念する」と安倍晋三首相に報告。首相も了承した。これにより、7月に投開票を迎える東京都知事選挙では、小池百合子氏再選の可能性が高まってきた。

コロナ禍以前、小池氏の再選は危ういと思われていた。最大の理由は「築地市場移転問題」を政治利用したことだ。小池氏は、前回の都知事選で「築地は守る、豊洲は生かす」とのキャッチフレーズを掲げて圧勝した。ところが、豊洲市場の地下水から環境基準を大幅に上回るベンゼンが検出されると「豊洲は安全だが、安心ではない」と発言し移転を棚上げ。市場関係者の怒りを買った。

築地市場跡地の活用に関しても「食のテーマパークにする」と発言し、新旧の市場が両立できるかのような期待を抱かせた。築地市場移転問題を「政争の具」として利用し、問題を長期化させ、都政を混乱させた責任は重大だ。

公約も何一つ達成されていない。小池氏は前回の都知事選で「7つの公約(待機児童ゼロ、残業ゼロ、満員電車ゼロ、ペットさっ処分ゼロ、介護離職ゼロ、都道電柱ゼロ、多摩格差ゼロ)」を掲げて当選したが達成した公約は一つもない(満員電車ゼロ、残業ゼロは達成できたものの小池氏の功績ではない)。公約は、都民の注目を集める為の選挙対策だったのだろう。

今夏の都知事選では、当然これらの問題が厳しく追及されるはずだった。辛酸を嘗めさせられた都議会自民党も「再選許すまじ」と徹底抗戦する構えを見せていた。ところが、新型コロナウイルスが全てを変えてしまった。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、小池氏は「ロックダウン」の可能性に言及。政府に緊急事態宣言を出すよう要求した。緊急事態宣言が発出されると、店舗などへの休業補償に対して、消極的な姿勢を示す政府とは対照的に、東京都は独自に「協力金」を支払うことを表明。あっと言う間に「政府VS都」という構図を作り上げた。

「都議会自民党VS小池百合子」という構図で前回の選挙を圧勝した小池氏。今回は「政府VS都」「新型コロナVS小池百合子」という構図で戦うつもりのようだ。「巨悪VS正義」という構図を作り出し、選挙を有利に戦うのは小池氏が得意とするパターン。「小池劇場」の再演である。

緊急事態宣言を受け、メディアへの露出もアップ。中でも象徴的なのは、外出自粛CMだ。一般企業がCM放映を控えるなかで、東京都のCMは頻繁に流され、その度に外出自粛を呼びかける小池氏の姿がアップで映しだされる。メディアへの露出は、そのまま都民に対するアピールとなるだろう。潤沢な財源を背景に打ち出した経済対策も都民には好評のようで、支持率も上昇しているようだ。

新型コロナウイルスの感染拡大に乗じて、自身に有利な状況を作りあげた小池氏。それが自民党の独自候補者擁立を断念させることに繋がったのだろう。二階俊博幹事長は、18日の記者会見で「小池氏が出馬するなら推薦する方向で取り組みたい。応援することに何ら異議はない」と明言。小池氏の「政治センス」には恐れ入るばかりである。

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