一律10万円給付を捻じ込んだ公明党 梯子を外された岸田氏

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新型コロナウイルスの感染拡大により、国民に対して一律10万円の給付が決まった。当初は、岸田文雄政調会長を中心に進められてきた、収入が激減した世帯に対して30万円の給付を行うという案が有力だった。ところが急転直下。一律10万円給付案で決着した。

政策が変更された裏には、公明党の抵抗があった。「連立解消」をチラつかせ、自民党執行部に圧力を欠けたそうだ。公明党の協力がなければ安心して選挙を戦うことができない自民党としては、同党の意見は無視できない。自公連立政権の中、選挙以外でいまいち影が薄かった公明党が存在感を示した。「国民を守るためには時には強硬な姿勢も辞さない」という覚悟を有権者に見せつけたわけだ。

政策を変更させた立役者のもう一人が自民党の二階幹事長だ。二階氏は14日に行われた自公幹事長会談で「10万円給付案を速やかに実行に移すよう政府に強力に申し上げる」と発言。夕方に行われた会見でも「一律10万円の現金給付を求める切実な声がある。できることは速やかに」と語っている。政策が変更された裏には、公明党と自民党二階グループの圧力があったのだ。

岸田氏は一律10万円給付が決まった直後、自身のツイッターで「自民党としても当初から訴えてきた10万円一律給付を前倒しで実施することを総理が決断しました。あとはスピード、全力で取り組みます。」と発信。減収世帯に30万円を給付する案を推進していたにも拘わらず「最初から言っていました」とアピールしている。

岸田氏といえば次期総裁候補の一人と目される人物。しかし、リーダーとしての資質には疑問符が残る。「私はどうしたらいいのでしょうか」 総裁選出馬に際し、会食で安倍首相にこう語ったのは有名な話だ。国内では疫病が蔓延し、災害も毎年のように発生している。米中の対立は激化し、日韓関係もどうなるかわからない。次期首相は間違いなく危機の中で執政することになる。そう考えたときに「岸田さんでは不安だ」と感じるのは筆者だけではないはずだ。

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