「静岡4区補選はテスト」と公言したN国党・立花氏 テスト結果はどうなった?

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4月26日に投開票が行われた衆議院議員補欠選挙(静岡4区)は、自公が推薦する新人の深沢陽一氏の圧勝に終わった。同選挙は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で行われた初の国政選挙ということに加え、野党が推薦する田中健氏に対して、NHKから国民を守る党(N国党)が、同姓同名の候補者をぶつけてきたということで注目を集めた。

N国党代表の立花孝志氏は、同姓同名の候補者を擁立する理由について「『田中健』としか書かなかった票は、それぞれの候補者に案分される。NHKから国民を守る党の田中健が6千票、野党が推薦する田中健が3万票。『田中健』と書いた得票数が6万票だとすると、残りの2万4千票は5:1で振り分けられる。NHKから国民を守る党の田中健には4千票、野党が推薦する田中健には2万票が行く。結論としてNHKから国民を守る党の田中健には1万票が入る」と語り、1票でも多くの票を奪い取る作戦であることを明かした。

結果は、野党が推薦する田中健氏が38566票で次点。N国党が推薦する田中健氏は1747票で最下位に終わった(どの程度の票が上乗せされているのかは明かされていない)。

当落 得票数 名前 年齢 性別 所属 新/現 絶対得票率 相対得票率 主な肩書
66881 43 自由民主党(公明推薦) 20.69% 61.31% 元静岡県議
38566.398 42 無所属(立憲、国民、共産、社民推薦) 11.93% 35.36% 元東京都議
1887 72 無所属 0.58% 1.73% 元会社役員
1747.595 54 NHKから国民を守る党 0.54% 1.60% 元江戸川区議

立花氏は次期衆院選について「小選挙区に自民党への妨害として同姓同名の人物を擁立したい」と語っており、同選挙区では、当選した深沢陽一氏と同姓同名の候補者を「刺客」として擁立する予定だ。

「刺客」と聞いて思い浮かぶのは、2005年9月に行われた第44回衆議院議員総選挙、いわゆる「小泉劇場」である。当時の首相である小泉純一郎は、国会において郵政民営化法案を成立させることを公言し、法案不成立の場合は衆議院を解散し総選挙を行うことを明言。法案が参議院本会議採決で否決されたことを受け、小泉は総選挙に踏み切った。郵政民営化法案に反対した議員は自民党候補として公認せず、対抗馬として郵政民営化に賛成する候補、いわゆる「刺客」を擁立。選挙に圧勝した。特定の人物を妨害する目的で送り込む候補者を「刺客」と呼ぶなら、立花氏が送り込もうとしている候補者もまた「刺客」と言えるだろう。

立花氏のやり方は、ある意味「えげつない」ので賛否両論あるだろう。しかし、法律の範囲内なので問題はないはずだ。次期衆院選に向けて「立花劇場」の舞台は整いつつある。

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