コロナ禍の選挙 求められるのは「強いリーダー」

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中国武漢を発祥とした新型コロナウイルス(COVID19)の感染拡大が止まらない。4月19日現在、ウイルスの感染者は世界で228万余りに上り、死者は15万人を突破。いまだに終息する気配はない。

国民の関心が新型コロナウイルスの感染拡大の一点に向いているため、選挙の争点も、当然その一点に絞られる。政治家は強いリーダーシップを示す必要があり、選挙結果はそれによって大きく左右される。危機の際には「強いリーダー」が求められるのだ。

4月15日、コロナ渦の中、韓国では四年に一度の総選挙が行われた。結果は文在寅(ムン・ジェイン)大統領を擁する与党が180議席を獲得し大きく躍進した。今回の選挙では与党は苦戦するものと思われていた。度重なる失政により、国内経済も外交も行き詰っていたからだ。しかし、それらの問題は新型コロナウイルスによって覆い隠されてしまった。ウイルスの感染拡大を抑え込んだ、大統領のリーダーシップが国民から評価され、今回の大勝に繋がった。野党は文政権の経済政策などを批判したが、支持は得られなかった。

アメリカ大統領選挙の行方も、新型コロナウイルスによって大きく左右されそうだ。アメリカではニューヨークを中心にウイルスの感染が急速に広まっている。4月19日時点で、感染者は74万人を突破。死者は4万人に届こうとしており、アメリカは新型コロナウイルスの最大被害国となってしまった。ウイルスへの対応が大統領選挙を大きく左右することに気づいたトランプ大統領は、緊急経済対策として総額2兆ドル(約220兆円)の支援を行うことを早々と決めた。新型コロナウイルスを抑え込み、経済を立て直せば、トランプ再選の道筋が見えてくるだろう。

日本では、来年9月までに衆議院の解散総選挙が行われる。新型コロナウイルスを抑え込み、経済を立て直すことができれば、自民党は圧勝し「安倍四選」の目も出てくるだろう。しかし、ウイルスの抑え込みが上手くいかず、経済の立て直しに失敗すれば議席を減らすことは免れない。安倍首相としては、新型コロナウイルスを早期に抑え込み、来年の東京オリンピック開催に何としてでも繋げたいところだ。

危機の際には「強いリーダー」が求められる。それは支持率の変化にも見てとれる。産経新聞社とFNNが11、12日に実施した調査結果では、日本維新の会が5・2%と急伸し、野党支持率のトップに躍り出た。素早い医療体制の構築、積極的な情報発信、政府への働きかけなど、吉村洋文大阪府知事をはじめとした、政治家の強いリーダーシップが評価された結果と言えるのではないだろうか。「頼れる党」という認識が広がれば、関西圏以外にも党勢を拡大できるかもしれない。

政治家のリーダーシップが選挙結果を左右するという状況は、新型コロナウイルスの感染拡大が終息するまで続くだろう。危機の際に「強いリーダー」が求められるのはいつの時代も変わらないようだ。

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