[都知事選] 小池百合子氏が史上2番目の得票数を獲得し再選

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7月5日に投開票された東京都知事選は、現職の小池百合子氏が366万票余りを獲得し再選をはたした。注目されていた宇都宮健児氏は2位。山本太郎氏は3位に終わった。投票率は54.97%と前回を下回ったものの、コロナ過であることを考慮すれば十分高いと言えるのだろう。

小池百合子氏の勝因は?

小池百合子氏の勝因は、新型コロナへの対応が都民から評価されたということだろう。新型コロナの感染拡大を受け、小池氏は緊急事態宣言を出すよう政府に要求。緊急事態宣言が発出されると、店舗などへの休業補償に対して協力金を支払うことを表明した。緊急事態宣言を受けメディアへの露出もアップ。一般企業がCM放映を控えるなかで、東京都のCMは頻繁に流され、その度に外出自粛を呼びかける小池氏の姿が映しだされる。メディアへの露出は、そのまま都民に対するアピールとなった。他候補は小池氏の老獪な選挙戦術に太刀打ちできなかった。

主要候補者の敗因は?

宇都宮健児氏

立憲民主党と共産党、社会民主党の推薦を受けた宇都宮健児氏は844151票で次点。山本太郎氏の出馬によって野党の票が分裂したものの、山本氏の票を上積みしたとしても100万票以上水を開けられたことになり、小池氏を脅かす存在とはなれなかった。宇都宮氏は5日夜、自身の事務所で「コロナの感染が拡大するなかで一定の制限を受けた選挙戦だったが、都政に関する争点を明らかにできたと思う」と語ったうえで「論戦がなく、有権者に訴えが届かなかった」と十分な論戦が行われなかったことを悔やんだ。山本太郎氏に20万票近く差を付け競り勝ったことは、野党共闘の構図に少なからず影響を与えそうだ。

山本太郎氏

れいわ新撰組の山本太郎氏は657277票獲得し3位に終わった。山本氏は新宿区市谷の開票センターで会見を開き「強かった百合子山。高かった百合子山という感想です」と語り悔しさを滲ませた。新型コロナの影響で、街頭演説によって支持を集めていくという、従来の選挙戦が展開できなかったのが響いたようだ。宇都宮健児氏を得票数で下回ったことは、野党共闘の構図に影響を与えるかもしれない。

小野泰輔氏

日本維新の会の推薦を受け立候補した小野泰輔氏は、612530票を獲得し4位に終わった。小野泰は品川区の事務所で「無謀な挑戦から有力候補に割って入れた。負けはしたが、すがすがしい思いだ」と話した。小野氏は熊本県副知事の職を辞して選挙戦に挑んだ。維新の後押しがあったとは言え、ほとんど無名であったことを考えると、善戦したといえるのではないだろうか。

立花孝志氏

ホリエモン新党から立候補した立花孝志氏は、43912票獲得し6位に終わった。主要5候補の一人として挑んだが、他4候補に大差をつけられ惨敗に終わった。立花氏は北海道からライブ配信を行い、今後の政治活動に関して「戦略を見直す」と淡々と語った。

小池百合子氏の圧勝に終わった東京都知事選挙。懸念されのは「公約が守られるのか」という点だ。というのも、小池氏は前回の選挙で掲げた公約は何一つ守られなかったからだ。多くの都民は新型コロナの影響で経済的に痛めつけられており、公約が守られることがなければ、大変な苦痛を強いられることになる。都民は小池氏の動向を注意深く監視し、目に余る場合はそれなりの対応をすべきだろう。都のみならず日本の行く末を左右する重責を負っているという自覚を持っていただきたいと思う。

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