菅義偉首相は「新・利権トライアングル」を打破できるか?

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元官僚の原英史政策工房社長が「事実無根の記事を流された」として、毎日新聞社と森裕子議員を名誉棄損で訴えている。なぜ事実無根の記事を拡散してしまったのか。答弁書からその全貌が見えてきた。

原氏へのバッシングは昨年6月に始まった。毎日新聞は2019年6月11日に「特区提案者から指導料 WG委員支援会社 200万円、会食も」との記事を一面トップに掲載。その後も、6月15日まで5日間連続1面で報道し続けた。森裕子議員はそれを元に、原氏への名誉棄損とも取れる発言を国会で繰り返し行った。

これに対して原氏は「事実無根」としてSNS等で反論。毎日新聞に謝罪を求める内容証明などを送ったが、その後も同様のニュースを発信し続けた為、同社を提訴。森裕子議員に対しては「毎日新聞の記事をネットで拡散したこと」と「自宅住所をネットで晒したこと」の2点について提訴している(国会内での発言は憲法51条によって守られている)。

注目したいのは、答弁書の内容だ。原氏によると、森氏の答弁書には以下のように記載されていたそうだ。

そもそも本件記事は、被告が漁業法改正に係る一連の経過を調査していたところ、これを端緒に発覚した事実をもとに毎日新聞社が取材を重ねた上で報道したもの

本当なら毎日新聞は森裕子議員の要請によって記事を書いていたことになる。原氏は次のように述べる。

「出発点は毎日新聞だと思っていたんですよ。毎日新聞が記事を書いて、森さんが騙されちゃったというか、それに乗っかって国会で追及しちゃったのかなと思っていたら、そうじゃなくて、出発点は森さんで、それを切っ掛けに毎日新聞が調査をして記事を書きましたと」

「マスコミがまず記事を出す。記事を出すとそれを元に野党が国会で追及する。記事がどれだけいい加減であっても質問がなされちゃうと、質問がなされましたという記事が書けますからね。で、また記事が出てそれを元に質問する。無限にこのサイクルが回り続ける。」

原氏はこのサイクルを「新・利権トライアングル」と呼ぶ。

新・利権トライアングル

「新・利権トライアングル」は官邸主導という枠組みに対抗するために出来たと原氏は話す。

「元はね、鉄のトライアングルというやつがあって、業界団体と役所と族議員とでトライアングルを作って利権を守っているという話はずっと昔から言われていた。それを打ち破るために官邸主導の枠組みを作ったわけですよ。国家戦略特区なんていうのがその一つで― 一定程度機能し始めたらそれに対して何が起こったかというと、これまでの鉄のトライアングルじゃ頼りにならないから、新しい枠組みを作ろうと、それで野党とマスコミを使う。それで新しいトライアングルを作っちゃったんですね。」

「規制改革を行いたい」と語る菅首相。それにはまず「新・利権トライアングル」を打破する必要があるだろう。マスコミと野党の理不尽な追及によって国会が空転してしまうからだ。はたして菅首相は「新・利権トライアングル」を打破できるだろうか。

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