「内閣支持率の急落は大した話じゃない」と語る高橋洋一氏 その理由は?

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内閣支持率が急落している。NHKの最新の世論調査によると、「菅内閣を支持する」と答えた人が40ポイントに対して、指示しない不支持が41ポイントとなっている。内閣を支持しないが支持するを上回ったのは菅内閣で初めて。支持率が下落した理由はもちろん新型コロナウイルスへの対応が後手後手に回っているからだ。

NHKの最新世論調査ー内閣支持率

NHKの最新世論調査ー内閣支持率(NHKのホームページより)

支持率急落を受け、自民党議員は次期衆院選に向けての危機感を強めているが、その一方で、現政権で内閣官房参与を務める高橋洋一嘉悦大学教授は「大したことがない」と強気だ。その根拠は「青木率」にある。

青木率とは、青木幹雄元自由民主党参議院議員会長が提唱した数字で、内閣支持率と与党第一党の政党支持率を足した数字が50を下回った場合に政権が倒れるとされている。森内閣は、2001年2月の調査で青木率が47になり、同年4月に退陣した。2016年の麻生政権末期には青木率が50を下回り、解散総選挙で自民党は歴史的な敗北を喫した(民主党が308議席を獲得し政権交代を実現した)。

NHKの最新世論調査を元に、現在の菅政権の青木率を算出すると77.8になる(内閣支持率40%+自民党支持率が37.8%)。高橋氏によれば、80という数字は「選挙に勝てる数字」「250、260は取れるという数字」だそうだ。

青木率について語る高橋洋一嘉悦大教授

青木率について語る高橋洋一嘉悦大教授

青木率が50を下回らない最大の原因は野党が弱いからだろう。自民党に対抗しうる政党が野党にあれば、自民党の支持率の低下に伴い支持率が伸びるはずだ。ところが野党第一党である立憲民主党の支持率はほとんど伸びていない。

立憲民主党は昨年末、国民民主党を吸収する形で再出発を果たした。しかし、やっていることは政権批判ばかりで、山積する問題に取り組もうとしない。これでは支持率が伸びるはずもない。政権交代など夢のまた夢。国民は立憲民主党が自民党の対抗馬になるとは見ていない。

結局、多くの有権者は賞味期限の切れた自民党を支持せざるを得ず、一強多弱の構図は崩れそうもない。

感染拡大への有効な対策を打ち出せない与党― 政権の上げ足取りに夢中な野党― 国民の政治不信はますます深まりそうだ。

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