「1.21人に1人が当選」という記事を見たんですけど、本当でしょうか?
市議選では立候補者1.21人に1人が当選!
NPO法人ドットジェイピーが全国の市区町村議会それぞれの、直近の選挙での議員定数と立候補者数を調べたところ、平均倍率はなんと、1.21倍でした。つまり、立候補した人の1.21人に1人が当選した計算です。当選確率にして82.6%。また、立候補者数が議員定数と同数か、下回ったため、「全員当選」となった自治体も150市町村以上に上りました
単純に全国の選挙を平均すれば、それに近い数字になるんじゃないかな。でも、実際の選挙では倍率はもっと上がるよ。
なんでですか?
当選確実と思われる候補者の定数は差し引いて考えたほうがいいからなんだ。
当選確実な候補者ってどんな人?
公党が推薦する候補者だよ。たとえば2019年4月21日に行われた船橋市議会選挙では、自民党は11人を擁立して全員を当選させている。公明党は10人擁立して全員当選。共産党は8人擁立して5名が当選。立憲民主党が2名擁立して2名。国民民主党も2名擁立して2名当選しているんだよ。
凄い・・・だからみんな公認を貰いたがるんですね。
公党の候補者はほぼ確実に当選するから、定数を差し引いて考えたほうがいいんだよ。選挙に強い(当選を重ねている)その他の候補者が出馬してくるなら定数は更に差し引く必要がでてくる。同選挙の定数は60だけど、実質的な定数は大分少なくなって倍率も上がるよ。
定数と候補者数から算出される倍率というのは、あまり参考にならないということなんですね。
候補者の力が拮抗していれば倍率が低いほど当選しやすいと言えるけど、実際の選挙ではそうなっていない。公党が支援する候補者と初当選を目指す無所属の候補者では圧倒的な力の差があるから、単純に倍率が低いから当選しやすいとは言えないんだよ。それに実際の倍率は公示日になってみないとわからないだろ? 蓋を開けてみたら倍率が高かったとか、逆に無投票で当選なんてこともあるんだよ。
なるほど―― ということは、公党の候補者や選挙に強い候補者があまり出馬してこなそうな選挙が狙い目ということなのでしょうか?
そうだね。初当選を狙うならそうした選挙を選ぶといいよ。
わかりました。逆に難しい選挙っていうのはどういう選挙なんですか?
首長選だろうね。
なんでですか?
倍率が高いからさ。なんせ一人しか当選しないんだからね。先の京都市長選では定数1に対して3人が立候補したから倍率は3倍になるよ。それに候補者の多くは公党に推薦されているから、無所属の候補者が当選するのは難しいんだ。
都府県議会議員選挙も公党が推薦する候補者や選挙に強い候補者が沢山いるのでこれも難しい。町村議会選挙は倍率が低いけど、候補者と地元民との繋がりが強いので新参者が当選するのは難しいと言われているんだ。
わかりました。受かりやすい選挙がどんなものか、私も研究してみます。
コメント