11日、香港で9月に実施予定の立法会選挙に向けた民主派の予備選が始まった。これに対して香港政府は「国家安全維持法(以下国安法)に違反する可能性がある」と、警告とも取れる見解を示した。最終的に民主派候補が排除される恐れもあり、緊張が高まっている。
香港では、逃亡犯条例の施行をめぐり、昨年からデモが激化。民主化の機運が高まったことで、9月に実施される立法会選挙では、民主派が議席を占めることが確実視されていた。それを阻止するため、中国政府は、国際的な非難が高まることが確実でありながらも、同法を押し付けた。国案法の目的は、香港の民主化を防ぐことにあったわけだ。
「香港衆志(デモシスト)」の創設者であり、民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏は、自身の選挙区で街頭に立ち、「多くの人が投票すれば国際的な関心を集めることができます。市民の支持を得られれば、中国の弾圧にも反撃できるようになります」と語り、投票を呼びかけた。
民主活動家の女神として人気を博していた、周庭(アグネス・チョウ)氏も、毎日新聞の取材を受け「市民は怖がらず、諦めず、投票という形で意思を示してほしい」と呼びかけている。
二人は、国案法の取り締まり対象になることを恐れ「香港衆志(デモシスト)」を解散。以来、両名のツイッターは更新されていない。
私、周庭は、本日をもって、政治団体デモシストから脱退致します。これは重く、しかし、もう避けることができない決定です。
絶望の中にあっても、いつもお互いのことを想い、私たちはもっと強く生きなければなりません。
生きてさえいれば、希望があります。
周庭
2020年6月30日 pic.twitter.com/zEk2NwgU24— Agnes Chow 周庭 (@chowtingagnes) June 30, 2020
民主派の予備選挙は、11日、12日の2日間で行われる。
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