新・立憲民主党が誕生 気勢を上げる野党議員とシラケる国民

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国民民主党と立憲民主党が分裂し、新たに新・国民民主党と新・立憲民主党が誕生した。新・立憲民主党には150名の議員が合流。巨大野党が誕生した。筆者がこの合流劇で感じたのは、国民感情との乖離だ。

新・立憲民主党の代表選は、立憲民主党の枝野幸男代表と、国民民主党の泉健太氏の一騎打ちとなった。結果は枝野幸男氏が107票、泉健太氏が42票を獲得し、枝野幸男氏が代表に選出された。同日行われた党名選挙でも枝野幸男氏が提案した「立憲民主党」が競り勝ち、党名は「立憲民主党」で決着した。蓋を開けてみれば、党名も代表も変わらず「新しい風」を期待していた国民の期待は見事に裏切られた。

党名の「略称」についても首を傾げざるを得ない。国政選挙では各政党に略称が付けられる。たとえば自由民主党なら「自民」。日本共産党なら「共産」といった具合だ。新・国民民主党と新・立憲民主党の両党は次期衆院選での略称に共に「民主党」と付けることを決定した。これによって次期衆院選の比例代表(2枚目の投票用紙)に「民主党」と有権者が書いた場合は、両党によって案分されることになる。これに対してツイッターでは「結局民主党」「帰ってきた民主党」「先祖返り」といった批判的なコメントで溢れた。同じ略称を利用したことが批判されるのは当然だが、それ以前に略称を「民主党」とするのは如何なものか。「民主党」のイメージがあまりにも悪く選挙で勝てないため、党名を「民進党」に変更したことを忘れてしまったのだろうか?

新・立憲民主党の枝野幸男代表は、菅内閣の発足直後に「安倍亜流内閣と言わざるを得ない。安倍政権の7年8カ月の負の部分を肥大化させるのではないか」と批判し、早期に国会論戦に応じるよう求めた。菅義偉首相が「桜を見る会」を中止する意向を表明したことについても「過去の問題に対して臭いものに蓋をするのではなく、しっかりと明らかにしてほしい」と語っている。新・立憲民主党は引き続き、国会で森友・加計問題や桜を見る会を追及していくつもりのようだ。問題が山積する中、果たして国民はそれを望んでいるのだろうか?

今回の合流劇を通じて筆者が感じたのは国民感情との乖離だ。それは野党議員の言葉の端々から読み取れる。枝野幸男代表は23日の記者会見で「まずは次の総選挙の公示の時点までに、選択肢として認めていただきたい」と語った。はたして新・立憲民主党は国民の選択肢になりえるのだろうか? NHKの最新の世論調査では自民党が40.8%に対して、立憲民主党は6.2%でしかない。国民は完全にシラケており、新・立憲民主党が国民の選択肢になる可能性は低いだろう(今のところ)。一強多弱の政治状況は当分続きそうだ。

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