小池百合子氏の圧勝に終わった東京都知事選挙。一部で注目されているのが、日本維新の会推薦の小野泰輔氏だ。小野氏は熊本県副知事の職を辞して東京都知事選挙に挑戦。61万票余りを獲得し、れいわ新選組の山本太郎氏に次ぐ4位につけた。知名度が無い状況に加え、新型コロナによって街宣活動も制限された中での4位というのは大善戦と見ていいのではないだろうか。
小野氏の躍進の理由は何だろうか? 最大の理由は、日本維新の会の支持率が急上昇していることだろう。日本維新の会の副代表を務める吉村洋文府知事は、大阪府民への外出自粛要請や休業要請を段階的に解除する府の基準「大阪モデル」を発表したり、患者を受け入れる為の医療態勢を構築し成果を挙げてきた。これが評価され日本維新の会の支持率はここに来て急上昇している。
産経新聞社とFNNによる合同世論調査によると、日本維新の会の支持率は、4月に5.2%、5月には7.4%と上昇し、立憲民主党を抜き、野党の中で支持率トップに躍り出た。2%台で推移していたことを考えると雲泥の差である。
今秋に「大阪都構想」の住民投票を控える日本維新の会としては、吉村人気に乗じて全国に支持を広げたいと考えるのは当然で、勝てるはずのない知事選挙に小野氏を擁立し、都議補挙に2名の候補者を擁立した背景には、そうした理由があると考えられる(「吉村人気にあやかりたい」との思いはポスターにも表れている)。
結果、東京都知事選挙の小野泰輔氏は61万票余りを獲得し4位。同日行われた東京都議会議員補欠選挙では、大田区の松田龍典氏が立民の候補者に競り勝ち2位(79049票)。北区の佐藤古都氏は都民ファーストの候補者を抑え3位(33903票)と善戦した。日本維新の会の馬場伸幸幹事長は、候補者の戦いぶりについて、記者団に「数字以上に大きな影響を与えられた」と手応えを語った。
自信を深める日本維新の会―― 「ひょっとしたら大阪都構想が実現するかもしれないなぁ」とも思わせる首都での戦いぶりであった。
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