「所得制限付き30万円給付案は安倍倒閣運動」高橋洋一財務省OBが語る

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衆議院議員で元国務大臣の松原仁氏が、自身のユーチューブチャンネルに、30万円給付案から10万円給付案に変わった件についての対談動画をあげた。高橋洋一財務省OBの「安倍倒閣運動」という見方は、とても面白く興味をそそる。

松原:30万円の世帯当たりの支給が10万円になった。この裏をどう読み解きますか?

高橋:30万円の支給というのは、無理な制度だと思いました。というのは、今の段階で所得が減ったら払うという仕組みなんですけど、今の段階の所得を政府が把握できるのは一年先なんですよ。一年先でないと把握できない。となると、いわば言い値の申請になるんですよ。言い値の申請で、それによって政府が本当に減ったか減らないか判断できないまま支給するということになると依怙贔屓が物凄いことになります。言い値ですからまじめにやった人ほど損するというパターンになる。こうなると支給の段階で依怙贔屓が露呈して、最後、制度が潰れるという可能性が極めて高いんです。

松原:安倍内閣に対して物凄いダメージになる可能性が30万円にはあったということですか?

高橋:これは倒閣だと思いました。

松原:安倍倒閣運動?

高橋:私は一時安倍政権にいまして、その時も倒閣運動というのはありました。無理な制度を押し付けて、それをやらせて倒閣に持ち込むというのは結構あるんですよ。

松原:中にいて安倍さんを支えている人が倒閣するんですか?

高橋:しますよ。30万円の制度を最初に聞いたときにこれは倒閣運動だと直感しました。

松原:倒閣を主導しているのは財務省ですか?

高橋:財務省です。30万円を1千万世帯に配るということですから予算規模としては4兆円なんですよ。10万円を全国民に配るとなると予算規模としては12兆円なんです。8兆円違うんですよね。これは財務省的には30万円の方を選ぶんですよ。30万円の方を選びつつ、無理な制度を言って倒閣運動に持ち込んだと思いました。

松原:なんで財務省が安倍さんを倒閣する必要があるんですか?

高橋:鬱陶しいからでしょう。もともと安倍さんは10万円で12兆円を配りたい人なんですよ。それを牽制するという意味でしょう。緊縮病に財務省は罹っているから、人の命より緊縮の方を優先している。そこには安倍さんは、ひょっとしたら危ないかもしれない。

松原:高橋是清を許さないみたいな― そういった発想が財務省にはあるんですね。

高橋:ありますよ。権力が強い時には出てこないんですけど、権力が弱くなる時には倒閣運動というのはありますよ。

松原:財務省がこの政治家は駄目だとなると、強烈な行動をとるんですか?

高橋:取りますね。使い易い人と、使い難い人がいて、安倍さんは使い難い方だったんですけど、凄くパワーがあったから手を出せなかったんですけど、最近ようやくパワーが落っこちてきて、やっぱり終盤になるとレームダックになりますからね。そこに近い状態になったときに、この際、予算削減できるというのと、一気に安倍さんを追い込むというので、財務省が仕組んだように私には見えました。

松原:財務省の誰が仕組んでいるんですか?事務次官ですか?官房長ですか?

高橋:現役の人よりも、財務省の組織全体で― 今の事務次官や官房長の裏には、歴代の事務次官みたいな大きな組織があって、それが全体的に、今の安倍さんがやっているのは財務省の方針に反するみたいなことを決めてやるということはありますね。

松原:そういう会議は実際にあるんですか?

高橋:ありますよ。

松原:元財務相の事務次官の― いわゆる天皇みたいな人が集まって、そこで行動したりするわけですか?

高橋:民主党の藤井裕久さんに聞くとよくわかりますよ。彼はよく知っています。

松原:藤井さんはメンバーの一人なんですか?

高橋:メンバーの一人ではないですけど、そこといつも接触していましたね。

松原:大きな影響力を持っていて、結果として10万円になったということで財務省の敗北ですよね。

高橋:仕掛けたんだけど上手くいかなかったという意味では敗北だと思いますね。

松原:歴代財務省の幹部の方々が、具体的に政治家を失脚させた事例は戦後あるんですか?

高橋:たぶん金丸信さん。

松原:金丸信

高橋:金塊で捕まえましたけど― その直前にグリーンカード法案ができたので、国税庁と財務省がシステムを用意して巨額の投資したんですね。それでも政治力で法案を廃案にしましたよね。廃案にした後、直ぐに金塊の話が出てきたんですよ。

松原:因果関係は可能性としてある?

高橋:その時に役所の中に居たんですけど、役所の中のムードは「金丸は絶対に許さない」。

松原:ムードがあった。

高橋:ありました。

松原:当時の金丸伸というのは最高権力者じゃないですか。

高橋:それでも一発で終わりですよ。税務の色々な情報を持っているのは大きいですよ。政治家でいうと税務情報で脅される。政治資金― みんな持っていますよね。そこの時に贈与の話とかになると皆大変なんですよ。

松原:間違った宣伝でおかしいじゃないかと言われるとダメージがありますよね。

高橋:国税庁の記者なんてのは、ネタを待って口を開けているヒヨコみたいな感じで、そこにポコッと入れたらそれをブワーッと出しますから。テレビにも一気に出るので、防戦するのは凄く大変だと思いますよ。

松原:財務省と検察が、まとまっているということですか?

高橋:国税庁と検察は年中協議していますし― 脱税の話になると政治家はほとんどアウトですよね。与党の政治家で税金の話されたら凄く選挙に辛いですよ。

引用:OB高橋洋一が語る!「財務省の実態と安倍倒閣運動!」衆議院議員 まつばら仁 

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