27日、自民党の石破茂元幹事長は、大阪市で行われた講演会で、国政選挙での投票率低下に関連し「民主主義が機能する条件は、可能な限り多数が参加すること。投票は義務にすべきだ」と語った。石破氏は「一部のイデオロギー、特定の利害を共有する人たちは投票に行く。民主主義の名を借りてそういう人たちが好きなようにやる」とも語り、投票率が低下することへの危機感を示した。
三蜜を避けるため、最近の選挙は平均で10ポイント程度投票率が下がっている。新型コロナの感染拡大は終息の目途が立っておらず、今後もこの傾向は続くと思われる。また、投票率が低下すると特定の団体やイデオロギーを共有している人たちの影響が強くなってしまうので、何らかの手を打つべきだろう。
投票率の義務化実現に向けて障壁となりそうなのは、憲法15条だと言われている。
第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
憲法15条には「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」とあり、投票が義務であることを示すような文言は書かれていない。投票を義務化するにはこの壁を突き崩す必要がありそうだ。
投票の義務化を行う前に「ネット投票」を解禁してほしいというのが筆者の要望だ。投票に行かない(行きたくない)理由の一つに「面倒くさい」というものがある。スマホから投票できるようになれば、そうした人が投票するようになるので投票率は上がるはず。新型コロナの感染拡大の予防にもなるし、なによりも国民にステイホームを要請しながら「選挙には行ってください」というのは筋が通らない。総務省は在外投票の実証実験を行っており、ベースとなるシステムは出来ているはずだ。
コメント