ネットが選挙に大きな影響を及ぼすようになった今、「色」をどう戦略的に使うかというのは大きなテーマとなっています。
先の参院選では、れいわ新選組はピンク、N国党は黄色、立憲民主党は青のイメージカラーで選挙戦を戦いました。色は選挙にどんな効果をもたらすんですか?
同じカラーのユニフォームを着用することによって、選挙運動員の士気(人が団結して物事を行う時の意気込み)を高める効果があるんだ。
なぜ同じ色のユニフォームを着用すると士気が上がるの?
サッカーの日本代表を応援するときには、ほとんどのサポーターが代表と同じ青のユニフォームを着ていくだろう。あれは士気を高めるためなんだ。サッカーではサポーターは12番目の選手と言われていて、試合結果に少なくない影響を与えるんだよ。
なるほど。同じユニフォームを着ていれば一体感が生まれ応援にも熱が入りそうね。
サッカーも選挙も同じチーム戦であり戦いだ。だから士気を高めることは重要なんだよ。
同じユニフォームを着れば、一体感が出て選挙運動にも力が入るってわけね。他にはどんな効果があるのかしら?
団結力や結束力を有権者にアピールする効果もあるんだ。
たしかに、同じ色のユニフォームを着ている選挙運動員を見ると真剣さが伝わってきて、何かやってくれそうな気がするわよね。色を上手く使った選挙ってあるのかしら。
最近では小池百合子さんが圧勝した、2016年の東京都知事選挙が挙げられるよ。小池さんは政界入りしてからずっと「緑」をイメージカラーとして使ってきたんだけど、同選挙では過去にないほど「緑」を前面に押し出したんだ。
街頭演説で「緑のモノを身につけてきてください」と声を張り上げた結果、緑色の小物を身につけた人が徐々に増え、選挙戦が進むにつれ緑の聴衆で埋め尽くされていったんだ。
なるほど。「緑」が運動員の士気を高め、勢いづかせたのね。
この現象をマスコミやネットユーザーが面白がって取り上げたため、メディアの露出が増え、最終的に大きな票に繋がったんだ。
SNSで拡散されるというのは大きな力になりますよね。なぜ拡散されたんですか?
インパクトのある写真を掲載すると拡散されやすくなるんだ。
たしかに、同じ色を身につけた人が沢山集まっている光景はインスタ映えしそうですね。拡散されるのも分かる気がするわ。
「緑の小物を身に着けさせ聴衆を巻き込んだ」というのがポイントだね。
小池さんが圧勝したのは色を上手に使ったからなのね。
そういう部分もあるんじゃないかな。
色が大事なのはわかりました。けど、具体的にはどんな色を使えばいいのかしら?
有権者にどのようなイメージを持たせたいかをまず決めて、それに合った色を選べばいいんだよ。たとえば、活動的で情熱的なイメージをもたせたいなら赤。誠実・清潔なイメージを持たせたいなら青。安心・安定といったイメージを持たせるなら緑といった具合にね。
わかりました。ネットが選挙に大きな影響を与えるようになっていることを考えると、色の重要性はますます高まりそうね。
コメント