立憲・枝野幸男氏「投票率が5ポイント上がれば次期衆院選での政権交代は可能」

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立憲民主党の枝野幸男代表は、23日の党大会で「投票率が5ポイント上がって、野党に投票してくれれば政権交代できる」と述べ、投票率次第では次期衆院選での政権交代は可能との認識を示しました。次期衆院選で政権交代はあり得るのでしょうか。

内閣支持率が低迷する中、野党が勢いづいています。立憲民主党の枝野幸男さんは「投票率が5%上がれば政権交代できる」と言ってましたが、本当にできるのでしょうか?

難しいんじゃないかな。マスコミの後押しが受けられそうもないからね。政権交代を実現するためには「風」を吹かせる必要があるんだ。

維新旋風、民主党旋風、小池旋風等々、選挙では度々「風」という言葉が使われますね。

「風」というのは勢いのことで、近年では、2005年の小泉純一郎さんによる「郵政選挙(小泉劇場)」、2009年の民主党による「政権交代」、2016年の小池百合子さんの「小池劇場」が挙げられるだろうね。少し振り返ってみよう。

 

2005年の「郵政選挙」では、小泉純一郎首相(当時)が郵政民営化法案が否決されたことを受け、国民の信を問うために総選挙に踏み切った。小泉さんは郵政民営化法案に反対した議員に対して「刺客」を擁立。結果は与党が圧勝し3分の2以上の議席を獲得したんだ。

 

2009年7月18日、支持率低迷にあえぐ麻生太郎首相(当時)は衆議院の解散を決断した。「政権交代」をスローガンに闘った民主党は308議席を獲得し圧勝。郵政選挙で敗れた多くの議員も小選挙区で議席を奪い返し、143人の議員が初当選し政権交代を実現させた。

 

2016年、小池百合子さんは東京都知事選挙への立候補を表明。選挙では都議会自民党を「伏魔殿」と呼び対立を煽った。小池さんの戦略は見事にはまり、291万2628票を獲得して当選。女性初の東京都知事に就任した。

 

勢いに乗った小池さんは、2017年の東京都議会議員選挙に「都民ファーストの会」を率いて参戦。小池さんが主催する政治塾「希望の塾」の塾生をはじめ、自民党・民進党から脱退し合流した現役都議など48人を擁立し公明党らと合わせての過半数獲得を目指した。結果は「都民ファーストの会」が圧勝(50人中、49人が当選)。推薦した無所属候補6人の追加公認を含め55議席を確保し議席を大幅にアップさせたんだ。

 

これらの選挙に共通していることはマスコミの後押しがあったことなんだ。

風を吹かせるにはマスコミの後押しが必要なんですね。

そうなんだ。で、マスコミの後押しを受けるには、その前提として高い支持率が必要なんだ。

支持率が高ければマスコミも担ぎやすいということね。

ところが、最新(5月時点)の支持率では自民党が33.7%に対して、野党第一党の立憲民主党の支持率は5.8%しかない。選挙をやっても勝てないのは明らかで、これじゃマスコミも担ぐ気にならない。

なるほど。なぜ支持率は上がらないのでしょうか?

不信感を持たれているからだろうね。民主党が政権を担っていた三年三か月の間、国民は散々な目にあった。トラウマが残っているうちは支持率は上がらないだろうね。

自民党は駄目だけど、野党はもっと駄目ということですか。

野党の支持率が上がらない限りマスコミは担がない。担いだとしても国民はついてこない。あまりにも自民党が酷いので次期衆院選では野党は議席を増やすことは出来ると思うけど、政権交代までは行かないと僕は考えているんだ。