日本第一党から地方議員が爆誕　更なる躍進に必要なものとは？

党首である桜井誠さんも認めている通り、大きく躍進するのは難しいんじゃないかな。

多くの国民は現状維持を望んでいるからなんだよ。日本は昔と比べて貧しくなったとはいえ、世界的に見ればまだまだ裕福で安全な国なんだ。路上に失業者が溢れたり、テロが頻発したり、犯罪が多発したり、食べるものに困ったりすることはないだろう？　多くの人は今の暮らしにおおむね満足しているんだよ。

投票率が低いことがそれを示しているんじゃないかな？　日本では選挙の投票率が低いよね？　なぜみんな投票に行かないかというと、現状に満足している人が多いからだと思うんだ。失業者があふれたり、テロが頻発したり、犯罪が多発したり、食べるものに困ったりといった差し迫った問題があれば「政治を変える必要がある」と多くの人が思うので、投票率は上がるはずなんだ。実際に、政情が不安定な国ほど投票率は上がる傾向にあるんだよ。

多くの人は日々の生活に精いっぱいで、政治的な問題に注意を向ける余裕なんて無いし、問題があったとしても、それに慣れちゃってる。たとえば、日本人の所得は下がっているんだけど、長いこと続いているのでそれが普通になっちゃった。そもそも多くの人は好景気を知らないので、それが問題であるということにすら気づいていない。

「変化を恐れるようになってしまった」ということがあるんじゃないかな。

民主党がそうしたんだよ。「暗黒」と揶揄されるように、民主党の3年間は、国民の心に決定的な政治不信を植え付けた。鳩山内閣は、沖縄県の米軍普天間飛行場の移設計画で「県外移設」にこだわり日米関係を悪化させ、今に続く混乱を招いたんだ。菅内閣の時には、東日本大震災が発生し多くの人が津波の犠牲になり、おまけに原発まで爆発した。自然災害なので仕方ない部分はあるんだけど、「適切に対応していれば被害はもっと抑えられた」という声は根強いんだ。原発の処理問題は百年単位で向き合わなければならない課題になってしまった。。消費税を１０％まで引き上げる決定が下されたのも野田内閣の時だったんだよ。

自民党にお灸を据えようと、民主党に政権を託した結果、国民はもっと酷い目にあった。そのトラウマがあるから多くの国民は「変化を恐れるように」なっている。今のままでは不味いと思いつつも、変化に対する恐れの方が大きい。だから急進的な政党は支持されにくいんじゃないだろうか？

「野党に政権を託すくらいなら、腐っても実績のある自民党に任せたほうがマシ」「毒入り饅頭を食べて死ぬくらいなら、腐った饅頭を食べて腹を壊すほうがマシ」と考えている人が多い。だから自民党の支持は底堅いんじゃないかな？

知名度を上げ地道に支持を集めていく今の路線を維持するか？　時代が日本第一党に追いつくのを待つのか？　フランスの「マリーヌ・ルペン」のように、ソフト路線に舵を切る方法もあるんじゃないかな？

マリーヌが党首を務める「国民連合」と日本第一党はよく似ているからさ。ちなみに国民連合の立場は次のようなものなんだ。

・国民保守主義
・反移民
・欧州懐疑主義
・経済ナショナリズム
・保護貿易
・反グローバリズム
・EU懐疑主義
・国家主権主義
・右派ポピュリズム
・人種主義
・反共主義
・反イスラーム主義
・ネオ・ファシズム
・ヨーロッパ中心主義

国民連合は過激な主張を引っ込め、ソフト路線に舵をきってから猛烈に躍進したんだ。泡沫扱いだった政党が、欧州選挙でフランス国内から２５％の票を集め、地方選挙でも投票率１位をとるまでになったんだよ。政権入りが現実を帯びてきた近年では、過激な主張を更に緩和させる傾向にあるんだ。たとえば「移民排斥」という主張を「移民は年間1万人以内に制限する」と変更しているんだよ。

移民問題が深刻なフランスと単純に比べることはできないけど、置かれた立場が似ているので参考になるんじゃないかな？