アメリカのトランプ大統領は、新型コロナウイルスの感染拡大に対処するための経済対策について、2兆ドル(220兆円)にのぼる異例の規模を議会側に要請。欧州連合(EU)も異例の規律緩和によって、各国が大規模な財政出動を行える余地を確保することを決定しました。欧米に比べて、日本の経済対策は「しょぼい」案しか検討されていません。なぜ日本は大胆な経済対策が打てないのでしょうか?
新型コロナウイルスの感染拡大による経済の落ち込みに対して、各国は大胆な経済対策を検討しています。それに比べると日本は、現金でなく商品券を配ろうとしたり、消費税の引き下げも考えていないようです。なぜ日本はしょぼい案しか出てこないのでしょうか?
「戦時」という認識がないからさ?
どういうことでしょうか?
平時と有事では、財政に対する考えを変える必要があるんだ。平時の時はプライマリーバランスや財源のことを考える必要があるんだけど、有事の際にはそんなこと言っていられない。財政問題は横に置き、目の前の脅威に対処しなければならないんだ。
たとえば、先の大戦(太平洋戦争と日中戦争)で日本は約7600億円もの戦費を使っている。日中戦争開戦時のGDP(厳密にはGNP)が228億円とすると、戦費総額のGDP比率は33倍。国家予算に対する比率では280倍にもなるんだよ。
戦時に「財源が―」「プライマリーバランスがー」とか言っていられないですものね。
国が無くなってしまっては元も子もないからね。有事と平時では財政に対する考え方を根本的に変える必要があるんだ。
経済対策でしょぼい案しか出てこないのは「有事」と認識していないからなのね。
そうなんだ。ドイツのメルケル首相はテレビ演説で、今回の危機は「第2次世界大戦以来の最大の挑戦だ」と述べているし、フランスのマクロン大統領も「我々は戦争状態にある」と語っている。
アメリカのトランプ大統領は「自分は戦時下の大統領」だと述べ、朝鮮戦争下の1950年に成立した「国防生産法(重要な医療用品の増産を民間企業に求めることができる)」を復活させた。各国の指導者は、新型コロナウイルスとの戦いを「戦争」と認識しているんだ。
だからこそ、大胆な財政出動(戦費調達)ができるのね。
日本が大胆な経済対策を打つには、ウイルスとの戦争状態にあると認めることが重要なんだ。
「戦時」であると認識し、大胆な経済対策を打ってほしいですね。
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