東京都知事選挙と同日に行われた、東京都議会議員補欠選挙では、4つの選挙区全てに於いて、自民党候補が勝利した。前回の都議選で、小池百合子氏率いる都民ファーストに煮え湯を飲まされた都議会自民党にとって、雪辱を果たした格好となった。
「女性5人の争い」として注目された北区では、自民党で新人の山田加奈子氏が5万2千票余りを獲得し当選。立憲が推す新人の斉藤里恵氏、同じく新人で維新の佐藤古都氏、都民ファーストが推す新人で、元宝塚歌劇団員の天風いぶき氏、アベノマスクブラで注目を浴びた、ホリエモン新党の新藤加菜氏を破った。
大田区では、自民元職の鈴木晶雅氏が11万票余りを獲得。維新の新人で元会社員の松田龍典氏や、立憲の新人で政党役員の松木香凜氏、ホリエモン新党の小林隆弘氏等を破って当選を果たした。
日野市は、自民党の新人で元日野市議の西野正人氏が4万6千票余りを獲得し、共産の新人、清水登志子氏を破り初当選。
北多摩第三選挙区では、自民が推す元調布市議の林明裕氏が6万5千票余りを獲得し当選。共産の田中智子氏、新人で元調布市議のドゥマンジュ恭子氏を破り当選した。
なぜ自民党は全勝できたのか。最大の理由は公明党が自民党支持に回ったことにある。前回の都議選で公明党は、都民ファーストの会の候補者を推薦。小池百合子氏の人気と公明党の強固な支持によって、都民ファーストの会は大きく躍進し、公明党と都民ファーストの会で過半数を占め与党となった。ところが「排除発言」を切っ掛けに、都民ファーストの会への風当たりが強くなると、小池氏は早々に離脱。都民ファーストの会は空中分解を起こした。
解散風が吹き始めた中、自公の連携を強めたい公明党は今回、自民党支持に回った。「自らの選挙に集中し応援することはない」と小池氏からも見放されてしまった都民ファーストの会には、自公に対抗する力は残っていなかった。
結果を受け、安倍首相は「大きな励みとなる」とコメント。来年の都議選に向け、自民党にとっては弾みとなりそうだ。
コメント