自民党総裁選 ポスト安倍は菅義偉氏と岸田文雄氏の一騎打ち?

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安倍首相の辞任を受け、自民党内での次期総裁に向けた動きが加速している。現時点で有力とみられる候補者は、岸田文雄政調会長、石破茂元防衛大臣、菅義偉官房長官、河野太郎防衛防衛大臣の四名。鍵となりそうなのは、次期総裁の選出方法と二階俊博幹事長の動向だ。

自民党では総裁を選出する場合「党員投票」で行われるのが一般的だ。その場合、現在の自民党所属議員は394人で、地方票にも同数が割り当てられため、総数は788票(議員票394+地方票394)となる。ところが、自民党は28日、次期総裁を「両院議員総会」で選出する方針を固めた。この場合は国会議員394人と都道府県連の代表各3人の投票で選ぶことになる。

両院議員総会で選挙が行われる場合、不利になるのは石破茂元防衛大臣だろう。石破氏は2012年に行われた自民党総裁選・第一回目の投票で、165票の地方票を獲得し、安倍首相を大きく上回った(結果は決選投票で安倍首相に敗れた)。石破氏は地方に票を持っているのだ。石破氏を支持する地方議員は「両院総会で総裁を決めるのはおかしい」として著名集めに動いているようだ。

両院議員総会で選挙を行えば、有利になるのは党内基盤がある菅義偉官房長官と岸田文雄政調会長が有利になるのではないか。

菅氏は、第2次安倍内閣発足以来、官房長官として安倍首相を支えてきた。次期総裁に菅氏が浮上しているのは、新柄コロナへの対応で「安倍路線を継承してもらいたい」との声が出ているためだという。二階氏は菅氏にたいして「(首相に)指名されれば十分任に堪え得る人材だ。有力候補の一人だ」とコメントしている。二階氏は菅氏支援に回ったようだ。

岸田文雄政調会長は、ポスト安倍の筆頭格とされてきた。しかし、リーダーとしての資質には疑問が残る。2018年の総裁選で出馬を検討していた岸田氏は、こともあろうか安倍首相に「私はどうしたらいいのでしょうか」と持ち掛けている。幹事長ポストを巡り、二階氏との確執があるのことも不利に働きそうだ。

発信力が評価されている河野太郎防衛大臣は、「党員の支持もいただいた上で次(の総裁)が決まるのが大事だ。どういう選び方になるのかも見ながら(周囲と)相談して決めていきたい」と語っている。小泉進次郎環境大臣は「河野さんが出れば、河野さんを応援します」と河野氏を支援する考えを示している。

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