新型コロナウイルスの感染拡大により生活苦に喘いでいる人が増えている。給付金に希望を託す人が増える中、麻生太郎財務大臣は、今後の一律給付の可能性について、国の借金が増えることを理由に「支給するつもりはない」と答えた。上から目線の発言に国民の怒りは爆発。ツイッターでは「麻生はやめろ」「認識が間違っている」「自分の金だと思っているのか」などの声で溢れている。
専門家は一律給付についてどう考えているのだろうか。経済評論家の上念司氏は「そもそも借金ですらない」とコメントしたうえで次のように語る。
「政府の借金は増えていないんですよ。概ね財政ファイナンスでやっているわけでしょう。債務というのは日銀という政府の子会社に対する親会社政府の借金なんですよ。セブンイレブンからイトーヨーカ堂から金を借りている。もしくはイトーヨーカ堂がセブンイレブンから金を借りている。セブンアンドアイホールディングスからみるとプラマイゼロなんですよ」(上念氏)
財政ファイナンスとは、中央銀行(日本銀行)が通貨を発行して国債を直接引き受けること。上念氏は財政ファイナンスは「国の借金を増やすものではない」としたうえで麻生財務の認識が間違っていると指摘。また、財政ファイナンスはインフレを招くリスクがあるが、デフレ下である日本では問題もないとも語った。
「日銀から金を借りて財政政策をやる。最大の問題はインフレなんです。でもデフレ状態ですよね。こういう時はお金を刷って財政を補填しても問題は無いんですよ」(上念氏)
菅政権で内閣参与を務める高橋洋一嘉悦大教授も、毎日新聞を引用する形で「日銀が国債を購入するので将来世代の負担はない」とコメント。麻生財務の主張を否定している。
そもそも麻生氏は、いわゆる「国の借金問題」に対して、今とは全く異なった考えを持っていたはずだが…
一律給付という給付のカタチは見直す必要があるとは思うが、もう少し別の言い方はなかったのだろうか。
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