「NHKから国民を守る党(以下N国党)」が選挙に勝てなくなっている。2020年に入ってからは特に酷く、14の選挙に候補者を擁立し僅か2勝。しかも、その1勝は無投票での当選だ。落選した選挙では最下位が多く、供託金が没収されたケースも少なくない。4月26日に行われた衆院補挙では、無所属で新人の山口賢三氏にも敗れ最下位に終わり、供託金も没収された。以下が2020年度の選挙結果だ。
投票日 | 選挙名 | 定数/ 候補者数 |
投票率 | 当落 | 得票数 | 名前 | 年齢 | 性別 | 順 | 相対得票率 |
2020/1/26 | 取手市議会議員選挙 | 24/31 | 43.86% | 落 | 670 | 岡本 介伸 | 49 | 男 | 27 | 1.70% |
2020/1/26 | 吉川市議会議員選挙 | 20/26 | 39.28% | 落 | 315 | 鬼沢 宏孝 | 57 | 男 | 26 | 1.39% |
2020/2/9 | 前橋市議会議員補欠選挙 | 3/6 | 43.08% | 落 | 8218 | 前田 みか子 | 48 | 女 | 6 | 7.88% |
2020/2/16 | 弥富市議会議員選挙 | 16/19 | 50.03% | 落 | 199 | 宮部 英雄 | 46 | 男 | 18 | 1.13% |
2020/2/16 | 新座市議会議員選挙 | 26/30 | 33.87% | 当 | 1249 | 小野沢 健至 | 49 | 男 | 23 | 2.77% |
2020/4/12 | 志木市議会議員選挙 | 14/14 | 無投票 | 当 | 古谷 孝 | 43 | 男 | |||
2020/4/12 | 坂戸市議会議員選挙 | 20/24 | 36.46% | 落 | 651 | 石川 新一郎 | 66 | 男 | 21 | 2.22% |
2020/4/12 | 坂戸市長選挙 | 1/4 | 36.46% | 落 | 942 | 尾崎 全紀 | 48 | 男 | 4 | 3.24% |
2020/4/19 | 魚津市議会議員選挙 | 17/20 | 46.01% | 落 | 162 | 谷口 隆司 | 50 | 男 | 19 | 1.02% |
2020/4/19 | 鹿児島市議会議員選挙 | 45/60 | 37.32% | 落 | 2044 | 最勝寺 辰也 | 39 | 男 | 51 | 1.13% |
2020/4/26 | 京丹後市議会議員選挙 | 20/27 | 68.3% | 落 | 123 | 尾瀬 健一郎 | 48 | 男 | 27 | 0.40% |
2020/4/26 | 倉敷市長選挙 | 1/2 | 25.65% | 落 | 5227 | 越智 寛之 | 45 | 男 | 2 | 5.30% |
2020/4/26 | 丹波篠山市議会議員選挙 | 18/23 | 54.24% | 落 | 107 | 大久保 祐太 | 34 | 男 | 23 | 0.58% |
2020/4/26 | 衆議院議員補欠選挙(静岡4区) | 1/4 | 34.05% | 落 | 1747.595 | 田中 健 | 54 | 男 | 4 | 1.60% |
支持率もここ最近は0%台と低迷。メディアへの露出も目っきり減り、マスコミからもすっかり見放されてしまったように見える。統一地方選挙で多数の当選者を輩出し、参院選で議席を獲得した昨年とは雲泥の差だ。
それを自覚しているのか、代表の立花孝志氏は、首長選で4連敗した直後に「今年は選挙に出ない」とコメント。最近は、支持率を挽回しようと、党名を変更しようとしたり、有名人にすり寄ったり、同姓同名の候補者を擁立したりと奇策に走っている。
N国党は、なぜ選挙に勝てなくなったのだろうか? 一言で言えば「本気度が足りない」ということではないだろうか。
立花氏は自身の動画内で「この選挙は勝てない」とか「勝つつもりがない」といったことを度々口にしている。そんな人の為に、有権者がわざわざ投票所に足を運ぶだろうか? 筆者の友人は、埼玉知事選で当初は立花氏に投票をしようとしていたが、動画内で「この選挙は勝てない」という発言を聞きやめたそうだ。彼曰く「勝つ気がないのに投票に行くのは馬鹿らしい」とのことだ。
元NHKの経理職員で、パチプロでもある立花氏は「数字に強い」という特技を生かし、パチンコ台を攻略するような感覚で数々の選挙を攻略してきた。その自信が、彼を数字に縛り付けているのではないだろうか。「俺の計算に間違いはない」という驕りが、大事なものを見失わせているのではないだろうか。
選挙で勝つためには数字は重要だ。しかし、それ以上に大事なのは「人の心を掴むこと」だ。必死の思いが有権者の心を揺さぶってこそ貴重な一票を投じてもらえる。統一地方選で大量の当選者を輩出できたのも、参院選で勝てたのも必死の訴えが「人の心」を掴んだからではないだろうか。今のN国党からは、その必死さが伝わってこない。
7月の東京都知事選への立候補を表明した立花氏。果たして名誉挽回といくだろうか?
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